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【2022年最新】精神保健福祉士について徹底解説!

精神障害の医療の分野で活躍する精神保健福祉士。身体の不調だけではなく、心に病を抱える人が増えてきた現代において、注目されている資格です。今回は精神保健福祉士の資格の取り方・仕事内容・活躍できる場所などをまとめてみました。

精神保健福祉士とは

精神保健福祉士は、精神障害者に特化して支援を行うことができる資格です。保健や福祉についての専門的な知識や技術を持ち、社会復帰の手助けや、必要な訓練支援を行うのが主な仕事です。その人らしいライフスタイルの獲得を目標とし、できるだけ自立した暮らしができるようにサポートしていくことを使命としています。

精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)という名称で、1950年代より精神科医療機関を中心に医療チームの一員として導入された歴史のある専門職で、社会福祉士、介護福祉士とともに福祉系の国家資格として知られています。精神保険福祉分野の知識・技術だけではなく、精神の障害に理解があること、患者さんを忍耐強く導く根気強さ、冷静さなどの対人コミュニケーションスキルも求められます。高ストレス社会といわれる現代にあって、精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。

精神保健福祉士の具体的な仕事内容

精神保健福祉士の仕事は、精神障害者とその家族からの相談を受け、助言をしたり、適切な訓練を行ったりするというものです。
医師や臨床心理士などと連携を取りながら行う業務だけでなく、医療費や生活費などの手配の紹介、行政機関での各種手続きや給付金制度の案内、社会復帰のための日常訓練、会話の練習、就労支援、就職してからの職場への定着支援など多岐にわたります。

精神保健福祉士がこのように多岐にわたる仕事を担うことになった背景には、2006年に施行された「障害者自立支援法」と2012年に施行された「障害者総合支援法」があります。この2つの法律がきっかけで、それまで精神障害者が置かれていた入院医療中心の生活から地域での生活へと変化しました。しかし、そのためには専門知識を有する支援者がいなければなりません。それに伴い精神保健福祉士の仕事内容も、地域や家庭、職場、学校などと連携を重視するように変化してきたのです。

精神保健福祉士と社会福祉士は違う?

精神保健福祉士と社会福祉士。この2つの資格は名前も似ているため、混同されがちですが、仕事の内容は異なります。
具体的な違いはまず、精神保健福祉士の支援対象者は精神障害者のみと限定されていることです。
一方、社会福祉士の支援対象者は、障害を抱える人すべて、高齢者、児童など、より幅広いことがわかります。突発的な災害や失業といった何らかの働けない事情を抱えて生活が困難になった人の支援も社会福祉士の仕事に含まれます。その他、不登校や虐待など子育てに関する問題にも相談窓口となって対応することもあります。

2つの資格には支援対象者に違いがあるものの、試験では共通科目も多く、実際に両方の資格を持って活躍する人も多いようです。
福祉の仕事で幅広く活躍したいのであれば、精神保健福祉士と社会福祉士両方の資格取得を考えてみてもいいでしょう。

精神保健福祉士を取るには条件はあるの?

精神保健福祉士になるためには、「財団法人社会福祉振興・試験センター」が実施する国家試験に合格する必要があります。
しかし、国家試験を受験するためには受験要件を満たす必要があります。
自分のこれまでの経歴から、効率よく最短で資格を取得できるよう、受験資格を得る方法を確認しておきましょう。

福祉系大学・短大で指定科目を履修

・福祉系大学等4年:指定科目履修
・福祉系短大等3年:指定科目履修+相談援助実務1年
・福祉系短大等2年:指定科目履修+相談援助実務2年

福祉系大学・短大で指定科目を履修

・福祉系大学等4年:基礎科目履修+短期養成施設等6ヶ月
・福祉系短大等3年:基礎科目履修+相談援助実務1年+短期養成施設等6ヶ月以上
・福祉系短大等2年:基礎科目履修+相談援助実務2年+短期養成施設等6ヶ月以上

社会福祉士登録者

・社会福祉士+短期養成施設等6ヶ月以上

一般大学・短大もしくはその他の学校を卒業

・一般大学等4年+一般養成施設等1年以上
・一般短大等3年+相談援助実務1年+一般養成施設等1年以上
・一般短大等2年+相談援助実務2年+一般養成施設等1年以上
・相談援助実務4年+一般養成施設等1年以上

精神保健福祉士の合格率と難易度は?

試験は毎年、1月の下旬から2月上旬ごろの日程で行われます。
出願は前年の9月上旬から10月上旬頃です。
出願や試験に関する要項は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページに掲載されているので、そちらをご覧ください。

精神保健福祉士試験の近年の合格率は、55~65%前後で推移しており、約3人に2人は合格しています。
同じく福祉系の国家資格である社会福祉士の過去5年間の合格率が25%〜30%程度であることと比べると、比較的合格率は高いです。
ただし、2020年度の試験では「総得点163点に対して、得点が90点以上」でした。これは、総得点の60%程度を基準として難易度で補正した結果となっています。油断せずに試験対策をしましょう。

精神保健福祉士の活躍する場は?

少し前までは、精神保健福祉士の就職先というと、精神科の病院がほとんどでしたが、最近ではいろんな分野でその資格が求められ、就職先も自分の意向によって幅広い選択肢の中から選ぶことができます。

●病院
精神科の専門病院や総合病院に開設されている精神科、さらには精神科や心療内科などのクリニックで活躍が可能です。

業務内容としては、入院・通院中の患者に対して認知行動療法の実施やグループワークやレクリエーションを兼ねたリハビリテーションなどを行います。また、病院内だけでなく、患者の自宅に訪問して退院準備の手伝いや在宅患者の生活上の様々な相談に応じる訪問業務を行ったりすることもあります

●福祉施設
主な福祉施設として、就労継続支援事業所、地域活動支援センターなどの精神障害者福祉施設の現場が挙げられます。

これらの施設では、入居者への日常生活の相談の他、各種情報の発信や就労に関するトレーニングなど幅広い面からサポートを行い、精神障がい者のより良い生活を支えていきます。

●養護施設
生活支援サービス分野の中でもグループホームやケアホーム、生活保護法で設置される救護施設、児童福祉法で設置されている児童養護施設、さらに超高齢化社会の進展により介護や福祉のニーズが高まっています。

保護者がいない、またはは虐待などにより養護を要する児童に対して、相談援助やその他自立のための援助を行なったり、精神障がいがある方への衣食住など健康管理や作業訓練などのリハビリテーションプログラムの提供、地域で生活できるための指導などを行なっております。

●行政機関
行政機関の就職先としては、市役所区役所、保健所、精神保健福祉センター、福祉事務所があり、心の問題についての専門的な相談と援助などの相談業務を行っていきます。

地域生活にスムーズに移行できるよう、住居の確保や外出への同伴、再発予防プログラムの実施、就労支援などを担当します。また、精神障害に対する偏見を無くすために、地域住民に対する啓発活動やボランティア活動、教育・医療・労働など様々な関係機関とのネットワークの構築、家族会や患者会などのコミュニティ作りなども行います。

●企業・教育機関
企業ではソーシャルワーカーとして職場でのストレス・うつ病対策としてケアはもちろんですが、理解を深めるためのプログラムやシステムを作る役割を果たしています。
そして教育機関では、小中学校などではスクールソーシャルワーカーとして子どものケアや、いじめや不登校、そのほかの学校でのさまざまな問題の解決ができるようにするといったことを担っていきます。

●司法機関
精神障害が原因で善悪の判断が付けられず重大な犯罪を犯してしまった人に対して、矯正施設や保護観察所等で「社会復帰調整官」や「精神保健参与員」として活躍します。

その中で精神障がい者の社会復帰に向けたプログラムやシステムづくりを担当する役割もあります。
そのため、指定された医療機関だけではなく、矯正施設などでの活躍も増えることが期待されています。

 

まとめ

  • 精神保健福祉士は国家資格の一つで、精神に障害を抱えた人を地域や職場に復帰させ、自立を図ってもらうためのサポートをする仕事です。社会福祉士と混同されやすいですが、仕事内容は異なります。精神保健福祉士になるには年に1回実施される試験に合格しなければなりません。合格率は受験者数の6割ほどで、就職先は多岐にわたります。今後、さまざまな分野で活躍が期待されている精神保健福祉士。ぜひ国家資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか?
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