子どもの成長を間近で見ることができる職業として人気のある保育士。
そんな保育士の仕事内容、保育士と幼稚園教諭の違い、保育士になるには?保育園以外の就業先について詳しくまとめてみました。
Contents
保育士とは?
保育士は、基本的には保育園にて子どものお世話をする職業です。
保育士の役割とは、子どもたちの生活全般のお世話をしながら、心身の発達を促し、社会性を養うこと。
そして、食事や睡眠、排せつ、清潔さ、衣類の着脱などの基本的な生活習慣を身につけさせることです。
子ども一人ひとりの発達を考慮して保育計画を作成し、それを基に保育を行います。
計画や活動の記録、子どもの発達記録などの書類作成のほか、行事の企画・運営、遊びや教材等の準備、設備の点検、掃除など、仕事内容は多岐に渡ります。
また、子どもだけではなく、保護者支援も保育士の大切な役割です。
おたより帳などを通して保育園での様子や子どもの発達について伝えたり、体温、食事量、睡眠時間、排泄に関しての情報を共有したりします。
保育士の仕事内容
幼稚園と比べて開園時間が長い保育園。
保育士の勤務形態の特徴は、早番・遅番などシフト制が多いことや、担当する子どもの年齢によって仕事内容が変わるところです。
それでは平均的な保育園での働き方の流れを見てみましょう。
保育士の1日の例
朝~9時頃 | 登園してきた子どもたちの受け入れをします。 保護者から伝達を受けたり、子どもの視診、荷物管理、おたより帳の確認等をおこないながら保育をします。子どもたちが全員揃うまでは自由遊びをしている園が多いです。 |
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9時~ | 子どもたちが揃うと、クラスごとに一斉保育が始まります。 朝の会で、挨拶や出欠確認、歌、体操等をおこないます。 |
9時半~ | 主活動として、その日の計画をもとに保育をします。外遊びや、制作、水泳、リトミックなど、季節や年齢、園の方針によって様々な活動を取り入れています。 |
11時半~ | 昼食の時間です。手洗いの指導や配膳準備、片付けをおこないます。 一人ひとりの食べる量やアレルギーにも配慮する必要があります。 |
13時~ | お昼寝の時間。布団の準備をして、子どもたちを寝かしつけます。 睡眠中は呼吸チェックをおこない、子どもたちの安全を守ります。 子どもたちが寝ている間に、おたより帳の記入など、事務作業を進めることもあります。 |
15時~ | おやつの時間。おやつや飲み物の準備、片付けをおこないます。 |
16時~ | 保護者のお迎え時間に合わせ、随時降園していく子どもたちを見送ります。 降園時は保育中の子どもの様子や伝達事項を保護者に伝えていきます。 |
1日の大半は子どもの保育にあてられますが、このほかにも保育計画、記録、教材準備、掃除、会議等の業務をこなす必要があります。
保育士と幼稚園教諭の違い
保育士と幼稚園教諭は、子どもを預かる点では同じですが、全く異なる資格です。 まず、施設の分類が異なります。
●保育所は厚労省管轄で「福祉施設」
保育士:保護者の代わりに基本的な生活習慣を身に着けさせる
●幼稚園は文科省管轄で「学校」と位置付けられています。
幼稚園教諭:幼稚園は学校の一種で生活面や知識などについての教育・指導を行う
幼稚園教諭が指導を行うのは、3〜6歳(就学前)ですが、保育士が保育を行うのは0〜6歳(就学前)で、乳児の保育ができるのは保育士のみです。
幼稚園には夏休みなどの長期休暇がありますが、保育施設は基本的に年末年始以外の長期休暇はありません。
基本的な預かり時間も、幼稚園が4時間程度であるのに対し、保育施設は10時間前後と大幅に長く、シフト制による勤務が多いでしょう。
なお、近年は内閣府管轄の「認定こども園」という施設も出てきています。
認定こども園には、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設や、もともと幼稚園で保育所の機能も備えた施設など、いくつかのタイプがありますが、基本的には就学前の教育・保育を一体として捉える枠組みです。
認定こども園では、原則として「保育教諭」として幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得している必要があります。どちらかの資格のみ持っている人のために、もうひとつの資格の取得をサポートする特例制度があります(平成31年度まで)。
保育士資格を取得可能な学校では、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を取得可能な学校もあります。
保育士になるには
保育士になるには資格を取得する必要があり、大きく2種類あります。
●大学・短大・専門学校などの保育士養成課程で所定の課程を修了する
●保育士試験に合格する
4年制大学
4年間かけてじっくりと保育の知識・技術を身につけていくことができます。
また、保育以外の一般教養を幅広く学べることも特徴で、卒業すれば大卒の学歴を持つことができます。
就職先によっては、初任給は学歴によって差がつけられ、大卒者のほうが多少よい給料をもらえることがあります。
短大・専門学校
2年間(あるいは3年間)で保育の知識・技術を詰め込んでいくため、4年制大学よりも忙しい学校生活になるでしょう。
保育に特化した勉強が中心で、いち早く保育の現場に出たい人には適しているといえます。
また、4年制大学より学費を安く抑えることができます。
短大は、4年制大学と専門学校の中間的な立ち位置で学べる学校や、地域密着型の学校が多くなっています。
保育士試験を受験
保育士試験は、毎年4万人から5万人が受験をしている人気の試験で、保育士養成課程のない一般の大学を卒業した人や短大の卒業生などでも受験可能です。
また、条件によっては中卒や高卒の人でも受験することができます。
保育士試験は、社会人となってから通信講座などを利用して受験をする人もいるようですが、保育士試験の難易度は高く、合格率は例年10%~20%程度となっています。
現在中学生や高校生で、将来保育士を目指すと決めているのであれば、保育士養成学校へ入学するほうが、確実に保育士資格を取得することができるでしょう。
保育園以外の就業先は?
保育士の就業先としては、保育園のほか、保育士の設置が義務づけられている児童養護施設、乳児院、児童館、認定こども園などの児童福祉施設にも就業することができます。
最近ではベビーシッターという働き方をする保育士も増えています。
まとめ
- 保育士になるために大切なことは、「学び続ける姿勢」「コミュニケーション能力」「体力」の3つです。
子どもが好きという気持ちだけではなく、子どもの発達を理解し、計画、実行、振り返りをおこなう専門的な知識が必要です。
保育所保育指針に基づき、子どもの心身の発達へとつなげていくには、どのような保育をおこなったら良いのか、「保育」という幅広い分野を学び続ける姿勢が大切です。
また、子ども、保護者、同僚と、たくさんの人と関わる仕事であるため、コミュニケーション能力も当然求められます。
子どもが好きで、フレキシブルな働き方をしたいと考えている方にオススメの職業。
大変なことも多いですが、保育士は子どもの成長というかけがえのない時間を共有でき、毎日が感動に溢れている素敵な仕事です。