「ヒヤリ・ハット」事故リスクを減らす介助の仕方

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介護・福祉の情報 仕事内容を解説
「立ち上がり」や「移動」は、生活をする上で繰り返し行う動作。介護する際に事故を起こすリスクも高くなります。
特に利用者が転倒すると、骨折などのケガから寝たきりになってしまう可能性もあるので注意が必要です。

介護職員の事故への不安は、利用者に伝わる

体格がよい利用者や要介護度が高い利用者の場合、介護職員は「介助を失敗したらどうしよう」「転んでケガをさせてしまったらどうしよう」と不安になることもあります。 しかし不安が利用者に伝わると、互いの動きがぎくしゃくして、介助の際の事故リスクが高まることもあるので気をつけましょう。
介護職員はプロとして常に落ち着いて行動し、利用者に余計な不安を与えない努力が必要です。 そのためには、利用者の自然な身体の動きを認識することが大切です。
「立ち上がる」際の動きや車いす、杖、歩行器を使用した時の身体の動きなどを正しく認識した上で、位置や姿勢を予測して、「いま」何をすればいいかを考えながら介護しましょう。 また、利用者に声をかけ、タイミングが合っているか、距離のとり方は正しいかなどを確認しながら「介護は利用者と介護職員との共同作業で進んでいくもの」という基本を忘れないように、利用者と心を通わせながら行うことが大切です。

ヒヤリ・ハットの検証が重要

「ヒヤリ・ハット」は重大な事故にはならなかったものの、事故に直結してもおかしくはなかった事例のことです。
介護の現場では日々、事故につながりかねない「ヒヤリ」としたり「ハッ」と気づいたりするシーンがあるはずです。 その「ヒヤリ」を「事故にならなくてよかった」で終わらせず、しっかりと検証することで万が一の事故を防ぐことができます。
介護事故の8割が「転倒」「転落」で、これらは「立ち上がり」や「移動・移乗」の介助の際に多く起こることです。 転倒、転落におけるヒヤリ・ハットは、技術の問題というよりも、利用者の気持ちを十分読みとれなかったことが主な原因になっています。
たとえば、車いすに座っているとき、誰でも長時間同じ姿勢を続けるのは苦痛で、無意識に姿勢を変えようとします。 けれども、身体が思うように動かない利用者は姿勢を変えようとしてバランスを崩し、転倒してしまうのです。 この場合、介護職員は「車いすに乗っているから安心」と考えるのではなく、「利用者が動いたとき、この車いすや周りの環境は安全かどうか」に注意を払わなければいけません。
つまり、「車いすに長時間座っているのは苦痛だ」という利用者の気持ちを読みとり、もし利用者が動いても安全かを常に確認します。たとえば車いすのロックがかかっていなければ車いすごと転倒してしまう危険性がありますし、床にコードなどの障がい物があったとしたら、車いすの車輪がひっかかり転倒してしまうことが予測できます。 また利用者自身の性格や体調を把握しておく必要があります。
せっかちな人であれば、少しの時間でもじっとしていられないでしょうし、体調が悪ければ早くベッドに戻りたいと考えるからです。 ヒヤリとする場面が生じた際は、すみやかに上司に報告をします。
事故が起こった際の「事故報告書」とは別に、「ヒヤリ・ハット報告書」をつくり、施設内の障がい物など、事故に発展する前の「ヒヤッとしたこと」を職員一人ひとりが見つけて報告している施設も多くあります。

声かけで利用者とタイミングを合わせよう

「立ち上がり」や「移動」などの介助動作の際、事故リスクを減らすためには、利用者への効果的な声かけが必要です。
たとえば、起き上がるとき。利用者本人が「起き上がろう」と意識するように声かけをします。 ひとつのコツとしては、時間を意識してもらうことです。
「もうすぐ朝食の時間ですよ」「そろそろお薬を飲む時間になりますね」など、時間を意識して自ら起き上がるという流れをつくれると、利用者の自立につながります。 また、なぜそれを行うのかを確認するのも効果的です。具体的には「お天気がいいのでお散歩してみませんか?」「動きやすいように着替えましょうか」など、「起き上がる」「移動する」動作の目的を明確にするのです。
大切なのは、介護職員が「立ち上がり」や「移動」を強制する形になるのを避け、利用者自身に「何かをしたい」という意欲を持ってもらうことです。 介護は利用者と介護職員の二人三脚で進みます。利用者が自ら「起き上がりたい」「立ち上がりたい」「移動したい」と思える声かけを繰り返せば、利用者の自立が促されるだけでなく、介護のリスクも軽減することができるのです。

どんなときに利用者が移動しようとするのか、行動パターンを把握しておく

介護職員が少し目を離しているうちに利用者が歩き出してしまうことがあります。 目を離していて事故が起きることはあってはなりませんが、だからといって四六時中見張っているわけにはいきません。
そこで、私の法人の施設では利用者ごとに一日の大体の動きを観察し、どの時間帯にどんな行動をしているかを把握するようにしています。
多くの利用者には「行動パターン」があります。たとえば食事の後はトイレに行きたくなりトイレに行こうとする、夕方になると家に帰ろうとして玄関に向かってしまう……といったことです。 行動パターンが把握できれば、移動しようとする時間帯に特に注意して利用者を見守ることができます。
24時間の介護が必要な特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、夜の時間帯の利用者の動きにも注意が必要です。
ある法人の施設では、利用者の動きを24時間把握できるようなシートを利用者ごとにつくり、記入を徹底し、情報の共有に努めています。
動きたい、移動したいという利用者の気持ちを尊重したうえで、事故にならないよう十分な配慮が必要です。

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