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【2022年最新】臨床心理士について徹底解説!

人間の“こころ”の問題にアプローチする「臨床心理士」について、仕事内容・活躍できる場所・給料などをまとめてみました。

臨床心理士とは?

臨床心理士は一般に「カウンセラー」や「セラピスト」などと呼ばれ、クライアントの心の問題を解決していく心理学の専門家です。
精神科のように投薬を行わず、心理学的な方法を用いてサポートをしていきます。複雑化する現代社会で、もっとも必要とされている職業のひとつです。

臨床心理士の具体的な仕事内容は?

臨床心理士の行う専門業務は4つに分類され、心理検査(心理テスト)やカウンセリングなどの心理療法を駆使してクライアントの心の問題を解決に導いていきます。

臨床心理査定

テストや面接を通してクライアントの心理状態を探ります。本人が自覚していない悩みや不安を明らかにし、援助の方向性を他の専門家と共に見定めていきます。

臨床心理面接

クライアントの心をサポートするためのプロセスであり、臨床心理士の活動の中心といえます。心理面接の方法はクライアントの状況、年齢などによって異なります。行動療法から芸術療法、集団心理療法にいたるまで、どの方法がもっとも適しているかを判断していきます。

臨床心理的地域援助

自治体や学校など、地域の人々が健康的な心理状態を保つために貢献する仕事を指しています。なお、コミュニティが健全な発展を遂げていくために助力することも、臨床心理的地域援助に含まれます。

調査と研究

心理学は常に新しい情報が生まれているので、過去の知識や療法に頼っているだけでは最新の症例に対応できません。また、クライアントやコミュニティの状況も日々変化していきます。心理を学び続ける姿勢も臨床心理士には求められているのです。

臨床心理士の活躍できる場所は?

臨床心理士の仕事内容はどんな領域においても「心の問題の解決」というベースがありますが、領域によって職場や対象とするクライアントなどが異なります。

●医療・保健機関
多くの臨床心理士は病院やクリニックに勤めています。精神科や心療内科を中心に、総合病院では内科や外科などを横断的に対応することもあります。
患者さんに対するカウンセリング・心理検査・集団精神療法などを行い、一緒に解決策を探っていくのが主な業務です。基本的には主治医の指示に従い、検査やカウンセリングを実施し、所見を医師に伝えます。

●学校・教育施設
教育機関で働く場合は「スクールカウンセラー」と呼ばれ、生徒や教員の心に寄り添っています。スクールカウンセラーは小学校~高等学校で働き、基本的には非常勤職員という扱いです。仕事内容は生徒・保護者・教職員とのカウンセリング、保護者や教職員向けの助言や研修、ストレスチェック等による予防的対応などです。
またスクールカウンセラーのほかにも、幼稚園で働くキンダーカウンセラー、自治体における教育相談室や教育センターなども教育領域に含まれます。

●企業や組織
一般企業などに配置され、その組織に所属する人を対象とします。メンタルヘルスケアの研修による予防、職場の悩みやうつ症状を改善するためのカウンセリング、回復した従業員へのケアなどを中心におこないます。
メンタルヘルスについて世間の関心が高まるにつれ、臨床心理士を雇う企業や組織も増えてきました。

●大学・研究機関
学びに重きを置いているのであれば、大学や研究所に籍を置いて活動する臨床心理士も少なくありません。これらの職場では、心理学についての研究や調査が主な業務となります。そして、将来的には後輩や部下を育てられる教官としての役割を担うようになるのです。また、大学や専門学校に設置された学生相談室や教職員向けの相談業務もここに含まれます。

●福祉領域・司法領域
児童相談所などの福祉領域でも臨床心理士は必要とされるようになりました。被虐待児とその保護者に対して心理検査やカウンセリングをおこない、心理状態の診断とその後の処遇を検討します。少年院や刑務所で受刑者と接するケースもあります。複雑な家庭の出身であったり、心に傷を負ったりした人々には早急な精神面のケアが大切です。
この領域で働く際には臨床心理士も公務員扱いとなることが一般的です。

臨床心理士になるには?難易度・合格率は?

日本臨床心理士資格認定協会の資格試験を受け、合格することで臨床心理士になることができます。指定された大学院・専門職大学院の修了を基本とした、一定の受験要件が定められています。また、5年に一度の更新が必須です。更新するには、指定の研修会やワークショップに参加するなど、5年以内に規定の実績を達成する必要があります。

主な受験資格

●臨床心理士指定大学院修士課程(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
●臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
●諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
●医師免許取得者で取得後、心理臨床経験2年以上を有する者など

なお、通信制の大学院で臨床心理士の勉強ができるところもわずかながら存在します。通信制のメリットは、「基本的には通学しなくてよい」こと。そのため、社会人として働きながら資格取得を目指すことも可能です。しかし、通信制と言ってもスクーリング(通学)が必須の科目もいくつかあるため注意が必要です。スクーリングの日数は大学院にもよりますが、3年間でおおよそ30日~40日としているところが多いです。

試験の難易度・合格率

臨床心理士の試験は一次と二次に分かれています。一次は筆記試験であり、100題のマークシート問題と論述問題が課されます。試験時間は合計4時間で、いずれも同日内に実施されるのが恒例です。
二次試験では2人の面接官から人間性やプロとしての資質を見極められます。また、臨床心理士にとって重要である人間関係を構築する力も評価される試験です。二次試験が終わると、合否が発表されます。

ここ数年の合格率は60~65%程度で推移しており、合格者数は半数を超えているものの、余裕を持って合格できるとは言えない難易度でしょう。

公認心理師との違い

心理職としての新しい資格「公認心理師」が、2017年に新たに定められました。臨床心理士との1番の違いは「国家資格である」という点です。
公認心理師の受験要件としても大学院での修了が必要とされてるうえ、現状では職域においても重なっている部分も多く、明確な差別化はされていません。

臨床心理士の平均的な給与はどのくらい?

日本臨床心理士会が定期的に発表している「臨床心理士の動向調査(第7回)」によると、2015年における臨床心理士の年収は、400万円台が約半数を占め、300万円台が19%、続いて200万円台が16.5%、400万円台が15.5%、500万円台が9.3%でした。

また、医療機関に勤めている臨床心理士よりも職業安定所や司法領域などで公務員として働いているパターンのほうが、収入が高くなる傾向にあります。たとえば、刑務所勤務の臨床心理士は年収が600万円以上になることも珍しくありません。

雇用形態によっては、臨床心理士の仕事で賞与がもらえることもあります。医療機関や企業で正規雇用されている場合や公務員待遇の職場では賞与をもらえる資格を持っているでしょう。ただし、非常勤などの雇用形態の場合には給与は時給制になります。そのため、基本的には賞与の対象外です。

 

まとめ

  • 臨床心理士はクライアントの話を聞き、心理療法を用いたりアドバイスをしたりと、内容に合わせて臨機応変に治療を行っていく仕事です。臨床心理士になるには日本臨床心理士資格認定協会の資格試験を受け、合格しなければなしません。合格率は受験者数の60~65%ほどで、就職先は多岐にわたります。
    今後、一般企業や司法機関、教育機関などでますます活躍の場を広げていく臨床心理士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
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