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認知症の人との接し方

認知症を患うと大体がご自身が一番先に気づいています。
その現実を認めたくない、忘れたりできなくなっていくことへの不安、この先どうしたら良いのかという苦しみを感じています。
介護者の否定する言動やイライラした態度は、すぐに認知症の人に伝わり、より一層混乱し悪循環になります。
認知症の人との接し方についてを解説していきます。

「否定しない、叱らない」が大原則

認知症の方の発言に対して否定しない、叱らないというのが大原則です。
「ダメだよ!おじいちゃん、こんな失敗して」親しい間柄なら、つい口にしてしまいがちなひと事ですが、こんなさり気ないひと言がお年寄りを傷つけ、認知症を進行させてしまうことがあります。認知症が見られるお年寄りだからといって、何を言ってもわからないし、傷つかないだろうと考えるのは大きな間違いです。「夜はご飯は食べたかね」と尋ねてくるお年寄りに対して、「なに言っているの!さっき食べたばかりでしょう」などと最初から否定したら、お年寄りは傷つきます。そうなると、深い孤独感を感じてしまいます。
能力の低下を自覚しているお年寄りほど、不安を感じやすいものです。否定せずに受け入れる態度が必要です。
介護をする人はそんなお年寄りの繊細な心を理解し、人格を否定するような言動は絶対に慎み、温かく接するようにしましょう。
また、お年寄りは、長く生き、さまざまな経験をしてきたプライドがありますから、話しかけているのに無視されたり、命令口調で話されたりすると自信がゆらぎ傷つきます。
そうなると、相手との距離を置こうとしますから、つねに人格を尊重する接し方をしましょう。

ペースを合わせる

お年寄りにはお年寄りのペースがあります。そのペースを乱せらると相手にも伝わって動揺させてしまいます。
突然怒り出したり、パニックに陥ったりすることがあります。
どんなに動作がゆっくりでも、急がせたりするのは禁物です。言葉で急がせなくても、ついイライラした態度をとって本人に見抜かれたら同じです。
介護のときはゆっくり構え、お年寄りのペースに合わせることが大切です。

説明はできるだけ具体的にする

着替えを促すようなとき、健康な人なら、「はい、着替えです」とパジャマを渡すだけで、着替えを促したこちらの意思は伝わります。
しかし、認知症のお年寄りにはこれではわかりません。認知症のお年寄りは言葉のイメージを膨らませるのが苦手ですから、「パジャマのシャツを着てね」「パジャマのズボンを着てね」と1つずつ渡して具体的に説明しないとわかりません。
さらに、意思をきちんと伝えるポイントとして、相手の不安を払拭するスキンシップが有効です。
上からの目線で話すと威圧的になるので目線は同じくらいにしましょう。手や肩などに触れながら、話すと距離が近づいて不安を和らげます。

話し方

正面に回り、目線を合わせてから話しかけます。
目線を合わせることで、「これから話しますよ」という合図になります。ゆっくり、適度な声の大きさで話しかけます。短く、分かりやすい言葉で話しかけましょう。

耳元で大きく、ゆっくり話す

歳を重ねれば誰しも、徐々に聴力が衰えていきます。そのため、周囲の声が耳に届かなくなり、話しかけられても気がつかないケースが出てきます。
加齢で声が聞こえていない、理解できていないだけの可能性があるにもかかわらず、認知症が原因で話を理解できなくなってしまったと、誤解してしまうことがあります。
認知症の有無を問わず、高齢者に話しかけるときは聞き取りやすいように、本人の耳元で、ゆっくりと落ち着いて、大きな声で話しかけることでコミュニケーションがとりやすくなります

目線を合わせて、目を見て話す

上から見下ろして話しかけられたら、いい気分がしません。
お互いに気持ちよく、誤解なくコミュニケーションを図るためには、話す相手と目線の高さを合わせることが重要です。
高齢者と話しかけるときは、なるべく目線を下げて話す姿勢を心がけましょう。

日常の生活での工夫

認知症が進むにつれ、視覚や聴覚を使って正しく周囲の状況を認識する能力が低下していきます。
注意力や集中力も低下していき、すべてをあいまいにしか捉えられなくなります。
理解しやすい言葉を使って話すことや、ご飯を食べた後は、わざと食器を下げずにおくなど日常生活を工夫をすることで、たとえ忘れてしまっても困らないような工夫をしてあげるなどをしていきましょう。

 

まとめ

  • 認知症の人は、1日の中でも調子が良い時、悪い時があります。得意なことや自分でできることを積極的に行ってもらいましょう。
    認めてもらったと感じることで、認知症の方の「快」の感情が蓄積されていきます。
    本人が感じる自分が自分で無くなっていく感覚・認知症に対する恐怖は、想像を絶するものがあるのではないでしょうか。
    「忘れてしまうのは、病気である」ということを理解して、気持ちに寄り添った対応を心がけることが大切です。
    「正しいこと・失敗しないこと」というよりも、「どうしたら円滑・円満に事が運ぶか」を優先して対応することが大切で、認知症の人とより良い関係を築いていけます。
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