地域密着型サービスは、介護が必要になっても住み慣れたところで生活ができるように提供されるサービスです。
市町村により事業者が指定され、サービスを行います。それぞれの種類と内容を見ていきます。
Contents
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所
●日中・夜間を通して、訪問介護と訪問看護の両方を提供
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、重度の要介護者ができる限り住み慣れた自宅で在宅生活を続けるために創設されたサービスです。
定期的に利用者宅を巡回し、訪問介護と訪問看護の両方を提供します。また必要な時には随時の対応も行います。
●24時間・365日の対応
看護師と訪問看護員などがチームとなり、24時間、365日利用者の対応を行います。
日中は利用者の自宅に定期的に訪問し、夜間は利用者からの連絡にオペレーター(=看護師、准看護師、医師、保健師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員)が対応し、精神的な支援などを行います。
病院や介護施設にいるように、自宅で生活する利用者へ看護・介護サービスを提供できることが特徴です。
夜間対応型訪問介護事業所
●定期巡回と随時対応の2つのサービス
夜間対応型訪問介護は夜間帯(22時~翌6時)の間に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問しておむつの交換やトイレ介助、体位の変換、身体の清拭など30分程度の身体介護を行います。
「定期巡回サービス」と「随時対応サービス」の2つのサービスがあり、定期巡回では夜間の決まった時間に定期的に訪問します。
随時対応は利用者などからの緊急通報を受け、訪問介護員が駆けつけます。利用者は必要に応じて、どちらのサービスも利用することができます。
認知症対応型通所介護事業所
●単独型、併設型と共用型の3タイプ
認知症対応型通所介護は、認知症の利用者専門のデイサービスで、要支援または要介護の認定に加え、医師に認知症と診断された人が対象となります。
認知症の人に限定した小規模な通所介護サービスで、3つの種類があります。
単独型
特別養護老人ホームや病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院などに併設されていない民家などの専用の施設を利用する単独のデイサービス。
(1日の利用定員12名)
併設型
特別養護老人ホームや、病院・診療所などに併設されているデイサービス。
(1日の利用定員12名)
共用型
グループホームなどの食堂や居間を、入居者と共に共同利用するデイサービス。
(1日の利用定員は3名以下)
小規模多機能型居宅介護事業所
●通い、宿泊、訪問介護を併せ持つ自由度の高いサービス
利用者の選択に応じて、訪問(訪問介護)、通所(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)のサービスを1カ所で行うことができるのが小規模多機能型居宅介護サービスです。
利用者は登録が必要で、登録利用定員は1事業所あたり29名以下となっており、また通いは1日18名まで、宿泊は1日9名以下の定員になっています。
3つの機能がセットになっており、要介護度ごとの1ヶ月ごとの定額制のため、利用者は料金を気にせず自分の生活に合わせて時間を過ごすことができます。
看護小規模多機能型居宅介護事業所
●介護と看護の一体的なサービス
通い、宿泊、訪問介護に加えて、看護師などによる「訪問看護」サービスも行うのが看護小規模多機能型居宅介護サービスです。
医療・介護サービスを1カ所で行うため、医療依存度の高い人を受け入れることが可能です。
訪問看護サービスが提供されることで、看取りなど医療ケアが必要な人の、退院直後の在宅生活へのスムーズな移行をサポートできます。
認知症対応型共同生活介護事業所
●共同生活のなか認知症の症状の進行を防ぐ
認知症グループホームとも呼ばれます。おおむね65歳以上の要介護認定を受けた認知症の人が、介護を受けながら1ユニット5~9名まで居住空間で共同生活を送るサービスです。
少人数の利用者が介護職員と共に共同生活を送って、顔なじみの関係をつくることができます。
介護職員と食事・掃除・洗濯を行うほか、できることは自分で行います。
地域密着型特養・地域密着型特定施設
●特別養護老人ホーム(定員が29人以下)
地域密着型介護老人福祉施設は、定員が29名以下の特別養護老人ホームを指します。サービス内容は通常の特養と同様で、食事や排泄介助などの身体介護、掃除や洗濯などの生活援助の他、リハビリテーション、レクリエーションなどを行います。
●有料老人ホーム(定員が29人以下)
地域密着型特定施設は、定員が29名以下の介護専用の有料老人ホーム・軽費老人ホームを指します。食事や入浴などの生活支援や機能訓練などのサービスを提供します。
施設内で介護サービスを提供する内部提供型(一般型)と、介護サービスを施設外の事業者が行う外部サービス利用型の2つのタイプがあります。
サービスを利用するには
お住まいの市町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターで、要介護(支援)と認定された方は、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談し、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、事業所と契約をしてサービスの利用が始まります。
ケアマネージャーは、居宅介護事業所に所属し一人ひとりの合わせたケアプラン(居宅サービス企画)を作成し、ケアプランに位置づけたサービスを提供する事業所などと連絡・調整などを行っています。
まとめ
- サービス事業者の指定や監督は、市町村が行います。
地域の特性に応じたサービスが提供されるため、お住まいの市町村によってサービスの種類や内容は異なります。
利用対象者は、原則として事業者が所在する市町村に居住する方のみで、住み慣れた地域で、ご家族やご近所の方々との交流を保ちながら生活を続けることができます。
規模の小さい施設などで、利用者のニーズに沿った柔軟な個別ケアを行うサービスが特徴です。