Y・Uさん(31歳/女性)プロフィール
●介護業界・・・経験10年
●勤務先・・・・特別養護老人ホーム
●保有資格・・・介護実務者研修
Contents
Q1.この仕事を目指したきっかけとは?
私が20歳のころ、祖父が要介護5の寝たきりで自宅で生活をしていました。その時私の母が介護をしていたんですが、介護が大変になって、特養へ入所することになりました。
そこではとても皆さん親切でそれまで抱いていた老人ホームのイメージが変わりました。
老人ホームと言えば、暗くて、汚くて、怖くて、閉鎖的で…とマイナスイメージがありましたが、職員さんも親切で、施設もきれいで、何よりもおじいちゃんの表情が日に日に元気になっていく姿を見て「こんな人に喜ばれる仕事があるんだな」と思い、介護の道に興味を持つようになりました。
Q2.どんな経緯で就職しましたか?
介護に興味を持っていてもどうしたら就職が出来るのかわかりませんでした。資格が絶対にいると思っていましたし、何も知らない私が就職できるのかなと不安に感じていました。ハローワークで相談に行くと、ちょうどヘルパー2級の講座募集をしていました。ハローワークの方の勧めもあって、すぐに受講を決意しました。
通学コースでしたので2週間ほどでヘルパー2級を取得することができ、学校で紹介してもらった特養が現在の私の職場です。
基礎的な資格でしたが、何も知らない状態で就職するよりも資格を取った方が絶対に良いです。そこではたくさんの仲間が出来て、今も定期的に集まっています。
仲間が出来るのは良いですね、いっぱい助けられてました。
Q3.イメージしていた仕事と違いましたか?
最初は戸惑いましたね。私が20歳の頃に感じたイメージはあくまでも家族としてのイメージでしたので実際そこで働くといろんな裏の部分が見えてきました。裏といっても悪いイメージではありませんが。
最初のころは「忙しい」「忙しい」の連続でしたね。慣れない仕事で戸惑い、入居者の方から「あんたはいつもバタバタしているな」と言われたこともあります。今考えてみるともっと冷静になればよかったですね。とにかくおむつ交換も、入浴介助も、食事介助も時間との戦いでした。
時間がなかったのはただ単に私の技術不足で、それを補うためにバタバタ動いていたんだと思います。
ただ、おじいちゃんが見せてくれた元気な顔を見せてもらえるように、楽しく生活してもらえるように仕事をしていました。
慣れてくると、自然とバタバタ忙しく動かなくなり、入居者が落ち着いて過ごせれるように仕事が出来ていったかと思います。やっぱり慣れるまでは1年以上かかりましたね。
Q4.今の仕事で楽しいことは?
仕事はとっても楽しいですよ。自分で言うのもおかしいですが、天職だと思っています。
一番楽しいと思うことは、やっぱり入居者の方が心を開いてくれる時ですね。入居して間もない高齢者は全員が緊張しているんです。
表情を見ればわかります。私のおじいちゃんがそうでしたからね。寝たきりでしたけど、入居の初日はよそ行きの顔になっていました。緊張している入居者が、徐々に慣れて自分の居場所を見つけるんです。
すると自分が安心できる空間が出来て表情が落ち着く。「私はここに居ていいんだ」と思うのです。こちらからの声掛けに対しても反応が全然違います、笑顔が多くなります。
心を開いてくれたんだと感じます。そういった入居者の良い変化を見ていくことが楽しいですね。
それとチームで介護をしている楽しさもあります。介護は一人ではできませんので、後輩や先輩などと一緒に介護をしますが、チームワークが良いと良い介護ができます。もちろん厳しくしないといけない時もありますが、皆を認め合って良いチームワークになるように心がけています。
Q5.心を開いてもらうために工夫をしていることは?
これは難しいのですが、適度な距離感を大切にしています。心を開いてもらおうと必要以上にかかわってしまいますと、余計に心を閉ざしてしまう場合がります。そのため、適度な距離感、適当(適している、妥当な)な対応が大切なんだと思います。
私たちの人間関係でもそうですよね。最初から距離を縮めても相手はひいてしまいます。だからあえて距離を取ることも心を開いてもらえるポイントだと思います。
後輩にもそれはよく伝えることです。心は短時間では開かないですからね、ゆっくりとその入居者に合して対応をして、自然と開くことを長い目で待ちます。相手のペースに合わせることによって信頼関係も築きやすくなります。
Q6.将来の目標は?
介護が天職だと思っているので、この仕事を長く続けることが目標ですね。仕事を長く続けるために、今勉強しているのは介護福祉士の取得です。介護福祉士を取得して、もっと専門的な知識を身に着けたい。
身に着けて、入居者に喜んでもらいたいのが目標です。そのために実務者研修の資格も取得しました。もちろん介護福祉士だけではなく、ケアマネジャーや社会福祉士にも興味があります。介護はいろんな方法でステップアップできます。