S・Oさん(33歳/男性)プロフィール
●介護業界・・・経験7年
●勤務先・・・・訪問リハビリテーション
●保有資格・・・理学療法士
Contents
Q1.お仕事の内容と一日の流れを教えてください
介護老人保健施設で、訪問リハビリの業務を行っています。現在担当しているご利用者(患者さん)は15名です。
訪問回数が週に1回の方と2回の方がいますので、一週間あたりの訪問件数は25件前後です。一日あたり5件平均となりますね。
標準的な一日の流れです。8時半より業務開始で、リハビリ室で一日のスケジュールを確認して、さっそく訪問に出かけます。
リハビリは1回の訪問で40分間です。移動も含めて一人あたり1時間で組み立てています。
訪問は専用の車を使う場合と、自転車を使う場合があります。駐車スペースの問題で自転車でなければ行けないお宅もあり、天候によっては大変です。
午前中の訪問が終わったら職場に戻り、空き時間で訪問記録やリハビリテーション計画書などの書類仕事をします。お昼休憩の後も再度訪問に出ます。
午後の時間は通所の方のリハビリが入っている日もあります。夕方に職場に戻って、入所の方のリハビリをしたり、書類仕事をして一日が終わります。
Q2.理学療法士になったきっかけは?またこれまでの理学療法士としてのご経験は?
文系の大学を卒業後、販売の仕事をしていたのですが、人の役に立てる仕事をしたいと思って理学療法士を目指しました。
社会人も多く通う専門学校で理学療法士の資格を取って、今年で7年目となります。卒業後に維持期の病院に就職し、病棟でのリハビリと外来でのリハビリを2年間担当しました。
3年目からは同法人の系列の老健に異動して、通所と入所のリハビリを担当してきました。訪問リハビリの部門の立ち上げに関わることになり、オープン後は訪問リハビリの責任者となっています。
Q3.仕事をするうえで大変なことはありますか?
まず立ち上げた直後はなかなか利用者数が増えなくて大変でしたね。病院や施設の中でリハビリをしていたときには、「利用してくれる人を集める」という考え方はありませんでしたから、はじめはどうやって集めればいいのかもよくわかりませんでした。
市の福祉フェアにブースを出したり、デイケアを利用している方のケアマネジャーさんを訪問したりと「営業」しました。
そのうちに少しずつ人数が増えて、新規の問い合わせをいただくことも増えてきました。今は私ともうひとり兼務のPTの2名で訪問リハを行っていますが、増員も検討しています。
訪問リハビリは、自分ひとりで利用者さんの自宅に伺って行うリハビリです。
ご本人だけでなくご家族もずっと付き添われている場合がほとんどですから、それまで経験したことのなかった緊張感がありますね。
わからないことや不安なことがあっても、頼れるのは自分だけですから。
病院や施設で行なうリハビリと違い、呼べばすぐに駆けつけてくれる医師や看護師もいませんから、体調の変化にも注意しています。
リハビリに伺ったときに、いつもより体調がよくなさそうだった患者さんがいました。
ご本人もご家族も「大したことない」と言っていたのですが、リハビリできる状況には思えなかったので、担当のケアマネジャーさんに連絡しました。
ケアマネジャーさんからの連絡で訪問看護の看護師さんに急きょ訪問してもらい、救急車を呼んで入院する事態となりました。
タイミングよくリハビリに伺えて気づくことができてよかったと思いましたが、同時に責任の重さも感じました。
Q4.訪問リハビリというお仕事のやりがいはどんなところですか?
大変なことが多いように感じるかもしれませんが、もちろんやりがいもあります。
訪問リハビリは、ご自宅で行うものですから、普段のご様子を見せていただくことができます。トイレやお風呂などでの動作練習も、実際に使う場面を見ながら行えるので、アドバイスもしやすいです。これが訪問してリハビリを行なう最大のメリットですね。
やっぱり身体の不自由があったとしても、自宅で過ごせるのが一番だと思うんですね。リハビリの専門職としてリハビリをしたり、暮らしやすくするためのアドバイスをしたり、ご家族に介護のコツをお伝えしたりすることで、在宅生活を続けてもらえることが一番嬉しいですね。
今まで通所のサービスに抵抗があって訪問リハビリを受けていた方でも、自宅でリハビリを受けるうちに抵抗が薄れて、通所のサービス利用につながることもあります。
皆さん私が訪問を楽しみに待っていてくれますし、ご本人もご家族も、自宅という環境なのでリラックスしています。リハビリの時間はじっくり話し相手にもなれるので、リハビリするだけの存在ではなく、頼りにしてもらえるのもうれしいですね。リハビリのことだけでなく、介護保険の制度のことなどにも知識があると役に立ちます。
Q5.訪問リハビリへの転職を考えている人へメッセージをお願いします
訪問リハビリは、医療保険でも介護保険でも行うことができます。また、訪問看護としても提供することができますね。これからの医療は、病院ではなく在宅で療養できることを目指していますから、今後も訪問リハビリのニーズは高いと思います。
今のところは報酬単価が比較的高いので、給料が出来高制でがんばった分だけ稼げる求人なども目にします。新人さんがいきなり訪問リハビリをするというのはちょっと難しいかもしれませんが、ある程度の経験がある人なら大丈夫です。
やりがいもあるので、興味がある人はぜひ挑戦してみてください。
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