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【2022年最新】保健師について徹底解説!

地域で暮らす人々が健康に、自分らしく生きていけるように支援する保健師。そんな保健師の仕事内容、働き方や活躍できる場所、給料などをまとめてみました。

保健師とは?

保健師は大学や保健師養成所において書影の教育を受けたあと、保健師国家試験に合格して得られる国家資格です。
地域や地域で生活する人々を対象とする看護職なので「地域看護」といい、地域社会に住むすべての人々、集団、組織を対象に病気や障害を予防して、健康レベルの向上を支援するという考え方から「公衆衛生看護」とも呼ばれます。病院やクリニックで出会う看護師とちがい、保健師は役所や保健所、企業などで地域住民の健康を支え、安全な環境で生活できるように暮らしを守っています。

保健師の具体的な仕事内容は?

保健師としての活動の対象は、地域で生活するあらゆる年齢層とあらゆる健康レベルの個人と家族、そして、同じような悩みや問題を抱えている集団です。保健師は、人々の生活や健康状態に悪い事態が起こらないように予防する活動と、健康づくり・生活環境づくりの支援を目的とした活動を行います。具体的な仕事内容を下記にまとめました。

●母子保健:女性の妊娠や出産、育児に関わる
→妊娠相談・面接、両親学級、未熟児・新生児訪問、年齢別健康診査、予防接種、育児相談・支援(虐待防止)など

●精神保健:精神疾患を抱えながら地域で生活している人に関わる
→ひきこもり予防教室、抑うつ・自殺予防対策 など

●成人保健:成人が「生活習慣病」予防に向けて自ら健康管理できるように関わる
→健康診査、健康相談、がん検診、特定健康診査、特定保健指導 など

●高齢者保健・介護予防:高齢者や介護が必要な人に関わる
→転倒・骨折予防教室、老人健康教室、介護教室 など

●難病保健、障害者保健:難病や障害を抱えながら生活している人に関わる
→自立支援医療、機能訓練教室、セルフヘルプグループ など

●学校保健:幼稚園から大学に通う児童・生徒と教職員に関わる
→健康診断、健康相談、保健教育、不登校・閉じこもり児の相談、学校環境衛生の実施 など

●産業保健:働く人々に関わる
→健康診断、健康相談、保健指導、作業環境管理、特定健康診査、特定保健指導 など

保健師の働き方や活躍できる場所は?

働く場所によって、地域住民の健康保持増進をする「行政保健師」、企業などで働く人々の健康管理をする「産業保健師」、学校などで学生と教職員の健康管理をする「養護教諭」の主に3つの働き方があります。発展途上国などでの母子保健活動や感染症対策、衛生教育などの国際地域看護活動を行う保健師もおり、活躍の場は広がっています。また、行政保健師や公立学校で働く養護教諭は各自治体の採用試験に合格しているので、「公務員」として働いていることになります。

保健所

保健所の保健師の仕事は地域全体の健康問題への対応や環境を整備することが基本です。
結核・感染症・エイズ・難病患者の「相談・訪問指導」、感染症や災害などに対する「健康危機管理対策」、管轄市町村の保健活動への「技術支援」や、健康課題の「調査・研究」などです。また、児童虐待予防や、市町村保健師への支援も行います。

市町村

市町村は「保健センター」を設置し、保健師はここで育児不安や児童虐待、精神障害者の暮らし、生活習慣病などの多くの課題に関する業務を行っております。健康相談、保健指導、健康診査など住民に直接かかわる対人サービスを提供しているのです。
また、保健師が1人ずつ地区を受けもち、その地区の住民の健康状態を把握する地域担当制と、母親学級や精神障害者のデイケアといった業務の企画・運営を行う業務担当制を併用して地域住民へのサービスを提供しています。

病院・診療所・訪問看護ステーション

保健師はおもに、患者・家族への退院指導や外来患者の生活指導、人間ドックなどでの健康診断・保健指導を業務とします。退院に向けた支援として、退院後も安心して生活が送れるよう、退院後の計画作成、各自治体の社会資源の紹介、かかりつけ医やケアマネジャー等の専門家との連携・調整をおこないます。また、訪問看護ステーションでは管理者として働きます。

介護保険施設・社会福祉施設

地域包括支援センターや在宅介護支援センターなどでケアマネジメントなどの運営を行います。
また、児童相談所などで、虐待の未然防止や早期発見に取り組み、その他、身体・知的障害者施設などで働く保健師も増えています。
介護保険制度に予防を重視する内容が加わり、その中心的なスタッフとして保健師が活躍しています。

企業・事務所

「産業保健師」として企業に看護師として雇用され、従業員の健康管理を行います。ふだんは比較的健康な人々であり、病気にならないように予防する業務が中心といえますが、うつ病など精神疾患を抱えながら働く人やがん治療を続けながら働く人、病気療養中の人もおり、あらゆる健康レベルにある人たちへの支援を行っています。
仕事に対して強い不安やストレスを感じている労働者は約60%にのぼるといわれており、精神障害などによる労災認定件数が増えているといったメンタルヘルス現状に、課題は多いようです。

学校

「養護教諭」として、子供の健康実態の把握、個人や集団への健康指導、救急処置、保健室の設備や物品の運営、健康相談、水質や照度などの環境衛生に至るまで、児童生徒や教職員が心身ともに健康に生活できるよう様々な業務を行います。また、学校という教育を目的とした場であるため、教育の一端を担う教師という立場にあることが特徴的です。
疾病や障害を抱えながら社会で生活する子供に対しての特別支援教育もはじまっており、保健室登校や不登校、いじめや虐待などのメンタルヘルスに関する問題は背景にある家庭の問題として学校内外の関係者でチームを組み、支援に当たることも重要になっています。

保健師の受験資格は?

保健師になるためにはまず、看護師資格が必要です。保健師は、文部科学大臣の指定する学校、または厚生労働大臣の指定する保健師養成施設で1年以上の過程を修了しなくてはなりません。

看護師資格を取得してから保健師教育を受ける場合

●4年制大学(看護師教育課程)→看護師資格取得→2年生大学院修士課程(保健師教育課程)
●4年制大学(看護師教育課程)→看護師資格取得→1年制保健師養成校(短期大学専攻科・専修学校)

●4年制大学(保健師選択制で看護師のみを選択)→看護師資格取得→2年生大学院修士課程(保健師教育課程)
●4年制大学(保健師選択制で看護師のみを選択)→看護師資格取得→1年制保健師養成校

●3年制看護師養成校(短期大学・専修学校など)→看護師資格取得→2年生大学院修士課程(保健師教育課程)
●3年制看護師養成校(短期大学・専修学校など)→看護師資格取得→1年制保健師養成校

看護師と保健師を同時に学ぶ場合

●4年制大学(看護師教育課程・保健師教育課程)※大多数は選択制
●4年制専修学校(看護教育課程・保健師教育課程)

その他

●5年制高等学校看護学科→看護師資格取得→1年制保健師養成校(短期大学専攻科・専修学校)

保健師の試験の内容・合格率は?

保健師の国家試験合格率は多少のバラつきはあるもののいずれの年も80%を超えており、比較的高い水準を維持しています。しっかり勉強を重ねていれば合格できる難易度であるといえます。
午前中に行われる一般問題(例年74~75点満点)と、午後に行われる状況設定問題(例年134~144点満点)の総合得点(例年134~144点満点)で合否が決まり、例年の基準ではおおむね6割(例年81~87点以上)を超えれば合格となります。試験科目は、公衆衛生、看護学・疫学・保健統計学・保健医療福祉行政論などとなっており、合格基準は例年正答率60%以上といわれています。これまでは看護師と保健師の両方の受験資格が得られる総合カリキュラムが主流でしたが、保健師の質の向上を目的とした教育の充実を図るよう文部科学省から以下の通達があったため、多くの大学が選択制にする動きを取りました。

保健師の平均的な給与はどれくらい?

保健師の給与は総務省によると、平均月収は約37万円、年間賞与は約131万円、平均年収は約575万円です。

保健所や市区町村の保健センター、役所に勤務する「行政保健師」は、いずれも経験年次とともに一定の昇給が見込め、雇用が安定していることが特徴です。
産業保健師や病院保健師、私立学校に勤務する学校保健師は、所属する企業や病院、学校によって仕事内容も給与体系も異なります。大手企業に勤務する産業保健師の場合は、比較的高収入を得られるケースが多いようです。

 

まとめ

  • 保健師として働くには看護師免許が必須となりますが、その仕事内容は看護師とは少し異なります。病気を未然に防ぎ、地域住民の健康的な生活を守っていく立場が保健師です。対象は乳幼児から高齢者、妊婦、障害者と幅広いため、あらゆるケースに対応できる知識と、どんな人とも隔たりなく接することができるコミュニケーション力も求められる仕事です。
    近年、「ピアサポート」といって、同じ病気から回復した人が、患者の相談に乗る仕組みづくりが、いくつかの自治体や病院ではじまっています。サポートする側の回復にも効果があることが知られており、支える・支えられる人の両方に効果が期待されています。看護職をはじめとした支援者も、このような考えを知り、個人の回復の目標に向かった支援をしていくことが求められています。
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